シルバー人材センターと言うとお年寄りの方が働いているイメージがありますが、中高年の方の副業の場と考えていいのでしょうか?
ある程度の年齢になってくると気になっくると思います。
今回は、シルバー人材センターは副業の当てにできるのか?という観点で調べてみました。
シルバー人材センターとは
まずはシルバー人材センターとは、どんなところなのか調べてみました。
シルバー人材センターとは何をするところ?
公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会のホームページを見ると、「シルバー人材センターとは」として次のように書かれています。
シルバー人材センター(センター)とは、高年齢者が働くことを通じて生きがいを得ると共に、地域社会の活性化に貢献する組織です。
センターは、原則として市(区)町村単位に置かれており、基本的に都道府県知事の指定を受けた社団法人で、それぞれが独立した運営をしています。
シルバー人材センターは高年齢者が生きがいを持って働き、また地域にも貢献する場ということですね。
組織としては全国の市区町村単位にシルバー人材センターがあって、それを都道府県単位に取りまとめています。
そして全国を取りまとめているのが上の文章を引用した全国シルバー人材センター事業協会ということになるようです。
またこれら市区町村から、都道府県の団体すべてが公益社団法人となっています
社団法人ではなく公益社団法人となっているところに、働くことだけでなく積極的に社会奉仕活動を行って地域社会に貢献していく意味合いがあるようです。
参加できる人
参加するには年齢を含めて4つの条件があります。
- 原則60歳以上で、健康で働く意欲がある
- シルバー人材センターの趣旨に賛同している
- 入会説明を受けて入会申込書を提出し、理事会に入会を承認された
- 定められた会費を納入できる
「定められた会費」が気になりますが、私の住んでいる地域のシルバー人材センターのサイトで確認したところ、年間2,000円でした。
60歳以上の健康で働く意欲のある人なら、ほぼ入会できそうです。
どんな仕事がある?
高齢者が働くので、例えば危険な仕事や身体に有害な仕事、責任の重い仕事は行っていないようですが、かなり幅広い仕事があるようです。
全国シルバー人材センター事業協会のホームページでは「主な仕事」として次のような仕事が挙げられています。
技術分野
家庭教師、学習教室の講師、パソコン指導、翻訳・通訳(英語)、翻訳・通訳(英語以外)、自動車の運転、
技能分野
庭木などの剪定、障子・ふすま・網戸の張替え、大工仕事、ペンキ塗り、衣類のリフォーム、刃物とぎ、門松・しめ縄づくり
事務分野
一般事務、経理事務、調査・集計事務、筆耕・宛名書き、パソコン入力
管理分野
建物管理(ビル、アパート・マンション管理など)、施設管理(スポーツ、遊戯施設管理など)、駐車(輪)場の管理
折衝外交分野
販売員・店番、配達・集配、集金、営業、電気、ガスなどの検針
一般作業分野
除草・草刈り、屋外清掃、屋内清掃、包装・梱包(封入、袋詰めなど)、調理作業(皿洗い、配膳など)、農作業(種まき、水やり、収穫など)、エアコン・換気扇の清掃、チラシ・ビラ配り、荷造・運搬
サービス分野
家事サービス(掃除、洗濯、留守番など)、福祉サービス(身の回りの世話、話相手、介助など)、育児サービス(子守、送迎など)
ただしこれらは全国のシルバー人材センターで行われているであろう仕事をすべてリストアップした感じです。
ですから各地のシルバー人材センターで、このすべての仕事があるわけではないです。
逆にこれ以外にも各地のシルバー人材センターで独自に行っている事業(独自事業)もあるようです。
ちなみに私の住んでいる地域のシルバー人材センターで行っている仕事を調べてみました。
技術分野
パソコンの訪問指導
技能分野
植木の手入れ(植木全般の剪定、刈込、消毒、その他の手入れ)、障子・襖・網戸の張替
事務分野
筆耕・宛名・賞状毛筆書き全般
管理分野
施設管理(市内の公共施設の管理)
折衝外交分野
集金販売、外務
一般作業分野
草とり、清掃(屋内・外)
サービス分野
福祉・家事援助サービス、育児支援サービス、困りごと支援、広報誌配布等
独自事業
なし
小さな市ですから、こんなもんでしょうか。
個々のシルバー人材センターによって、かなりの違いがありそうなことが想像できます。
ロータリークラブとの違い
同じように地域ごとに存在しているロータリークラブも年配の方が参加しているような印象があります。
しかしこちらはボランティア活動を行う無償の社会奉仕団体です。
参加して作業を行っても、それによって収入を得るということはありません。
シルバー人材センターの仕事は副業として使える?
ではシルバー人材センターの仕事は副業の選択肢の一つとして考えてよいのでしょうか?
以下の3つのポイントで考えます。
- 仕事の種類
- ルール
- 報酬
仕事の種類について
上にも書きましたように危険な仕事や身体に有害な仕事、責任の重い仕事はありません。
その点は副業としてはありがたいポイントです。
しかし在宅で副業したいという人には、ほとんど仕事がなさそうです。
また、この記事をご覧になってるような方々は、人並みか人並み以上にパソコン、スマホを使える方々だと思います。
しかしそのスキルを活かせるIT系の仕事はパソコン指導ぐらいしかありません。
IT系の仕事は民間企業の領域なんでしょうか。
そう考えると、やりたいと思える仕事は限られてきてしまいます。
ルール的な話も
まず入会資格として原則60歳以上というのがありますので、年齢が満たない人は参加できません。
それ以外に特徴的なルールとして「ローテーション」というものがあります。
これはワークシェアリングの考え方で、シルバー人材センターの会員の就業機会を公平にするために、通常はローテーションにより就業することになっています。
例えば、シルバー人材センターとしてある公共施設の管理業務を年間を通して受託していたとしても、一人の会員がずっと毎日勤務するということはありません。
何人かの会員がローテーションを決めて交替で働くことになります。
さらにその仕事の希望者が多かった場合には、勤務する会員も(各地の事情により期間は異なりますが)1~2年程度で他の会員に交代します。
実際に全国シルバー人材センター事業協会のホームページには次のような文言があります。
「一定した収入(配分金)の保障はありません。」
「ご希望の仕事が常にあるとは限りません。」
「就業日数の保障はありません。」
各地のシルバー人材センターのホームページにも同じ趣旨の記述があります。
これでは継続的な収入としては計算に入れづらいです。
報酬
月の収入について、いくつかのシルバー人材センターのサイトを確認しましたが掲載されていません。
ただ全国シルバー人材センター事業協会のホームページには全国平均の金額が載っています。
それによると、全国平均で月8~10日就業した場合、月額3~5万円程度だそうです。
シルバー人材センターに向いてる人
年齢の条件はもちろんとして、次のような人がシルバー人材センターに向いていると思われます。
- お客さんや同僚の顔を見ながら仕事をしたい人
- 家の外に出て仕事をしたい人
- IT系よりも実作業が好きな人、あるいは得意な人
- 収入だけではなく地域貢献などの“やりがい”“生きがい”を感じたい人
まとめ
60歳以上の方で、やりたい仕事があればシルバー人材センターも副業の選択肢の一つにできそうです。
ただし収入を第一に考える人や在宅で仕事をしたい人は、他の副業を検討したした方がよさそうです。
在宅の副業については下の記事で紹介していますので参考にしてください。