今や国や自治体をあげて広く起業、創業する人を求めています。
おかげで全国どこでも地元の自治体、地元の商工会議所・商工会、日本政策金融公庫による支援体制が整ってきています。
でもそれぞれの自治体や商工会議所・商工会の考え方や地域特性、都道府県の方針によって、地域ごとに支援内容が多少は異なってくるのも確かです。
この記事では、一例として東京都の起業支援(創業支援)の内容を調べてみました。
東京で起業を考えている方は参考にしてください。
東京都の起業支援・相談窓口
東京都の場合は23区や各市もそれぞれ支援施策を行っていますが、東京都としても起業希望者への直接の支援が充実しています。
東京都として6つの相談窓口を設定しています。(一部、日本政策金融公庫の事業も含みます)
- TOKYO創業ステーション
- 東京開業ワンストップセンター
- 東京圏雇用労働相談センター
- 創業支援センター
- 東京ビジネスサポートプラザ
- 東京都企業立地相談センター
TOKYO創業ステーション
東京都と東京都中小企業振興公社が共同で運用している施設で、千代田区丸の内にあり東京駅からも有楽町駅からも近い場所です。
2フロア構成で1階は東京都、2階は東京都中小企業振興公社が運営しています。
1階は Startup Hub Tokyo です。
起業を身近に感じる拠点という位置づけで、起業について知りたい人、起業家に会ってみたい人、起業に向けて動き出そうとしている人が主な対象です。
コンシェルジュ(起業経験者)やプランコンサルタントが常駐していて、起業に関する様々な相談に対応してくれます。
Wi-Fiが使えて飲食もできるフリースペースや、キッズコーナーもあって一時保育サービスも受けられる立ち寄りやすいところです。
2階は創業ワンストップサポートフロアです。
担任制のコンサルティング、経営知識を修得するセミナー、少人数制のゼミなどが行われています。
東京開業ワンストップセンター
法人設立や事業開始に必要な定款認証、登記、税務、年金・社会保険、入国管理などの各種手続に関する相談を無料で行ってくれます。
また中小企業診断士による経営相談や創業支援も行ってくれます。
所在地は東京都港区赤坂ですが、渋谷と丸の内にサテライトがあってテレビ電話で赤坂のセンターにいる専門家と相談することができます。
どうしても敷居が高く感じる人は、定期的に開催されている相談体験会から参加していくのもよいでしょう。
東京圏雇用労働相談センター
起業するとすぐに必要になってくる労務管理や就業規則、雇用契約書などについて弁護士や社会保険労務士が無料で相談にのってくれてアドバイスももらえます。
東京圏雇用労働相談センターは東京開業ワンストップセンターと同じビル内にあります。
創業支援センター
全国に15ヶ所設置されている日本政策金融公庫の創業支援センターの2つ、東京創業支援センター(中央区新川)、多摩創業支援センター(立川市)が東京都内にあります。
東京都や都内の各自治体、商工会議所(商工会)、金融機関などと連携して起業前や起業後の人に向けて各種のセミナー開催などの支援事業を行っています。
東京ビジネスサポートプラザ
全国に6ヶ所設置されている日本政策金融公庫のビジネスサポートプラザが日本政策金融公庫新宿支店に開設されています。
創業計画書の作成ポイントなどを相談できますが、ここの特徴は土日も相談できることです。
平日昼間は働いている人でも利用できます。
東京都企業立地相談センター
東京都企業立地相談センターは中央区日本橋にあります。
都内で事業を開始する予定の企業や個人事業者に、オフィスや店舗、工場などに使える民間物件、公的物件を紹介してくれます。
また関連した補助金や助成制度を紹介してくれます。
商工会議所・商工会の起業支援
東京は8つの商工会議所と27の商工会で都内全域をカバーしています。
- 商工会議所(8)
東京、八王子、武蔵野、青梅、立川、むさし府中、町田、多摩
- 商工会(27)
三鷹、国分寺市、日野市、清瀬、小平、小金井市、西東京、狛江市、大島町、調布市、福生市、東久留米市、東村山市、国立市、あきる野、東大和市、武蔵村山市、八丈町、稲城市、羽村市、三宅村、瑞穂町、昭島市、新島村、神津島村、小笠原村、日の出町
それぞれの商工会議所、商工会で起業支援、創業支援の事業を行っていますが、この記事では東京商工会議所の行っている創業支援の内容を紹介します。
東京商工会議所
東京商工会議所は東京23区内の商工業者会員で構成される商工会議所です。
千代田区丸の内に本部事務所があり、各区に支部があります。
起業支援・創業支援について多くの事業を行っています。
- 個別相談の受付、対応
- セミナーなどの開催
- 創業者交流会の開催
- 創業融資保証
- その他
創業・起業窓口相談
起業の準備に関する種々の不明点、疑問点について幅広く無料で個別相談に対応してもらえます。
- 創業・起業準備の進め方
- 業種・業態選び
- 資金計画や経営計画
- 各種申請や届け出
- 公的融資や補助金・助成金の申請手続き
- 記帳や税務
なお相談は平日の9:00~17:00で、電話による事前予約制です。
専門家窓口相談
起業に関して全般的に扱う「創業・起業窓口相談」に対して「専門家窓口相談」では各分野の専門家に個別に相談できます。
こちらも料金は無料です。
なお相談は平日の9:30~12:30で、電話による事前予約制です。
税務
- 独立開業後の税務や経理処理方法など
- 火曜日・金曜日
- 相談員:税理士
登記
- 会社設立の手続き、定款の記載事項など
- 月曜日
- 相談員:司法書士
労務・社会保険
- 就業規則、労働保険、社会保険など
- 水曜日
- 相談員:社会保険労務士
許認可・外国人雇用
- 飲食店営業許可、個人事業主から法人への変更、外国人雇用など
- 第3木曜日
- 相談員:行政書士
創業支援セミナー
起業・創業を支援する各種セミナーが開催されています。
東商・創業ゼミナール
- 少人数のゼミ形式の講座
- ビジネスプラン作成から開業資金の調達までを含む総合的なプログラム
- 1コース8日間(毎週同一の曜日の夜の時間帯に開催)
創業塾
- 新規開業に必要な基本的知識を習得する入門コース
- 1コース2日間(土曜日2回)
創業テーマ別セミナー
- 関心の高い業種やカテゴリ別に毎回テーマを設定し解説するセミナー
- 随時開催
創業フォーラム
- 著名な起業家や創業支援機関による講演会
- 年1回開催
その他の施策
その他にも創業者交流会を開催したり、開業ガイドブック、創業事例集、創業支援マガジン(週刊)を発行しています。
まとめ
東京は人口が多いこともありますが、多くの機関の本部や企業の本社が集中していることもあり、全国的に見ても起業支援の態勢がとても整っています。
このような恵まれた環境にあるのですから、東京で起業を目指す人は、これらを十分に使って創業につなげてください。
なお日本政策金融公庫も含めて自治体や商工会議所・商工会の起業支援・創業支援の相談窓口については別記事で説明しています。
ぜひ参考にしてください。
また企業のリスクを少しでも低くするために下の記事も確認しておいてください。